わだりんぶろぐ2

ポエム集

マイノリティ?

公共の施設における障害者の介助の問題。介助してもらって当然と言うマイノリティと、あなただけに特別にコスト払えませんと言うマジョリティ。まったく議論が噛み合わず虚しくなる。 私はというと、後者の意見が正しいように思うけれど、彼らがどんな悲しみ…

抱っこ

夕焼けの帰り道 悲しみを抱っこして 楽しかった時間が突然終わり 大人が決めたさようなら 悲しみは君の色彩になる 明日の夢になる だから勇気を持ってさようなら ふたつの胸が重なる 君の悲しみは僕のもの 僕は夕陽に抱っこされて この道を歩く 悲しい命を生…

ペトレンコ&ベルリンフィル

音楽は久しぶり。ペトレンコ指揮ベルリンフィルを聴いてきました。演目はモーツァルト、ベルグ、ブラームス。 モーツァルトは表現豊か。縦とか意外と合ってないけど、こういう音楽を作るんだという絵がはっきりと共有されている。僕が今まで音楽だと思ってい…

アドラーの理想

アドラー心理学の解説書を読み非常に感銘を受けた。すべての人は縦ではなく横の関係にあり対等で、生きているだけで他者に貢献できているという価値観。僕もそのことを理想としている。 例えば、親はこどもに対して支配的であってはいけないと思っている。だ…

持続可能な成長

持続可能な成長ってあり得るのだろうか、と思うのです。それが物質的や経済的な成長を指すのならば。エネルギー、資源、生命、そういった周囲の環境を食い潰して、自らの種が発展する、というのが私たちの成長に対する考え方でした。それはSDGs後も変わって…

15年ひと昔

いつの間にか歳を取った。 15年ぶりの拠点訪問。入社直後の多感な青年が涙と汗を流した場所。 現場のあんちゃんが駅まで送ってくれた最後の日と、少しも変わらず、澄んだ空が広がっていた。 それが昨日のことだと聞かされても何の違和感もない。 気怠さも、…

第六感

こどもって特殊な能力を持っていると思うんです。 宅配の受取りに居合わせた上の子が、クリスマスプレゼントの中身をぴたりと言い当てた。自転車の前に乗った下の子が、後ろの私の心を読んで「おとうさんどうしてドキドキしてるの?」と言った。 思い起こせ…

多様性のパラドックス

前回に続いて多様性について考えてみる。 多様性と言えば何となく素晴らしいことのように聞こえるが、実は多様性という概念自体が複雑なパラドックスを抱えていると思う。 多様性が至るところは、ひとつ間違えれば均質性である。ある集団の構成要素が非常に…

多様性とはなにか

近年大切な価値として語られ始めた“多様性”だが、多様性ってなに?と改めて考えてみるとよくわからない。 多様性がもてはやされるようになったモチベーションは3つあると思う。 1つめは、マイノリティの人権問題。 SNSの発展でマイノリティに光が当たり始め…

すべて手放して

夏休み。私は離島に渡る船の底で横たわっていた。船は不規則に、しかし心地良くたゆたう。わずかな月明かりだけを帯びた黒い液体があたかも身体を包んでいるよう。その黒い液体に私の形が溶けていく。勝負に負けたことも、怒りに任せて人を責めたことも。家…

帰りたくない

旅行の最終日、旅館の部屋の片付けを始めると、子どもがすみっこで目に涙を浮かべる。足が痛いとか、中庭で遊ぼうとか、駄々をこねる。楽しかった旅行がもうすぐ終わりそう。この時間が永遠に続いてほしいのに。そんな気持ち。見ている親も切なくなる。それ…

帰りたくない

旅行の最終日、旅館の部屋の片付けを始めると、子どもがすみっこで目に涙を浮かべる。足が痛いとか、中庭で遊ぼうとか、駄々をこねる。楽しかった旅行がもうすぐ終わりそう。この時間が永遠に続いてほしいのに。そんな気持ち。見ている親も切なくなる。それ…

正義と悪

「一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないだろうか?誤解を恐れずに言うと「悪」を存在させることで、私は安心していないだろうか?」河瀬直美さんが東京大学の新入生に贈られた祝辞の一節です。この祝辞が批判を集めていることに、…

感染記

コロナに感染した。引いては寄せる波のように続く熱、仕事の不安、外で遊べず鬱憤が溜まるこども達。少なからず辛かったけれど、結果的には感染して良かったと思います。そう思う理由の1つめは、コロナを巡るイデオロギーの戦いがひとまず終結したこと。理由…

成し遂げたいこと

齢40にしてまだ道に迷っている。呑気に暮らせればそれで良いというタイプだけど、人生において成し遂げたいことは幾つかある。それを明文化しておくことは意味があるだろう。1. この美しい世界を味わい尽くす2. 何物にも替えられない自分になる3. 子や身近な…

成し遂げたいこと

齢40にしてまだ道に迷っている。呑気に暮らせればそれで良いというタイプだけど、人生において成し遂げたいことは幾つかある。それを明文化しておくことは意味があるだろう。1. この美しい世界を味わい尽くす2. 何物にも替えられない自分になる3. 子や身近な…

2021年読んだ本

ことり(小川洋子)「家へ帰る」足を止め、フェンスへもたれ掛かってお兄さんは言った。進化思考(太刀川英輔)進化思考は太刀川の言葉を借りれば「部分最適な世界を脱却し、人の観念を進化させ、人類を永続させるため」のメソッドであり、人類存続のための…

勝負強さ

勝負強さとは何なのか。なぜ同じような技量を持ちながら、決まって勝つ人と決まって負ける人がいるのか。僕は勝負強さとは、決して一か八かの賭けではなく、このようなことだと思います。勝ちたいと願いながら勝ちにこだわらないこと。負けたくないと願いな…

やっぱり実験が好き

実験をしてるとすべてが腑に落ちる瞬間ってあるよね。ああそうだったのかと。こうすればいいのかと。一所懸命やっている時間でなく、ふと気を抜いた時間に訪れる。うっかり手順を間違えたあとにやって来る。バスに揺られているときに頭に浮かぶ。遊び心を出…

たまには弱音を吐かせて

なんかもう疲れた。コロナなんて無かった世界へ行きたい。疫病自体はさほど気にならない。そこで露呈する人間の弱さ。価値観の押し付け。恨み合い。やっぱり人間って醜い。多様性なんてどの口が言うか。無人島で有志を集めて何も気にせず暮らしたい。なんて…

科学と詩

石を包んだガラスが割れている。客人「なぜ割れるのか」作家「石とガラスで冷え方が違うからですよ」客人「なるほど男女の恋と同じですね」作家「まさにその通りです」「熱いうちは仲が良いのです」この会話を聞いて呆然とした私。なんと詩的で、美しく、核…

小学校の夢

今でも偶に小学校が夢に出てくる。あの場所のことははっきりと覚えている。明るい橙色の正門はいつも高貴な光を纏っていた。右手の花壇は小学生には勿体ないほどに綺麗で、日時計は少年の好奇心を誘った。正面にはヒマラヤスギ、左手にはツツジの植栽があり…

とげとげ

どうも最近心が刺刺していて。乱暴な言葉を吐いてしまったり、他者の些細な言動に傷付いてしまったり。この1年で社会からの要請が急激に増えた。やってはいけないこと、やらなくてはいけないこと。自閉症気味の自分としてはとてもつらい。誰にも制限されず…

孤独に打ち克つ

人は皆孤独だよ、孤独を抱えて生きていくんだよ。いくら友達に囲まれていたって、酒を酌み交わしたって、一時の温もりを求めたって、孤独は拭い去れない。と悲しい人が言うので反論したかった。すっかり忘れてしまっていたが、僕も結婚する前どうしようもな…

2020年読んだ本

31冊でした。気になった一節とともに、印象に残った順に並べました。 一汁一菜でよいという提案(土井善晴)掃除する前の庭に戻ってしまったのではなく、掃き清めた新しい庭に、新しい木の葉が落ちたのです。悲しみの秘義(若松英輔)かつて日本人は、「かな…

「作りながら考えるんだよ」

毎度こどもの言葉には、はっとさせられる。だって何作ればいいかわからないし、と工作のお誘いに乗り気ではなかった私へ。「こどもは作りながら考えるから工作がじょうずなんだよ」と教えてくれた。確かにおとなは前以て考えすぎる。何を作ろうか、形は、素…

絶望さえも、ない

バスに脚の悪い少女が乗ってきた。気を利かせた中年男性が優先席に座るよう促す。一見するとほんわか心温まる光景。だけど傍らにいた僕はとても悲しくなった。何も行動できなかった自分が悔しい、というのはある。だがそんなレベルではない、深くどうしよう…

幸せについて

幸せって不確かなもの。同じ景色を見ていても、一夜にして見え方が変わってしまうこともある。いま幸せだと思っている人たち。あなたはあなたの幸せを本当に噛み締めて、考えて、真に自分のものとしようとしているか。いま幸せでないと思っている人たち。尽…

綺麗ごと

言葉って哀しいね話せば話すほど傷は深くなるのに食事って哀しいね食べれば食べるほど命を奪うのに愛するって哀しいね愛すれば愛するほど破滅に向かうのに生きるって哀しいね生きれば生きるほど苦しいのにそれでもこの世界は美しいというのかい嘘だ、綺麗ご…

コンプレックス

色んなコンプレックスがあるもんだなあって思うけど、僕の場合は頭いいとか言われるのがコンプレックスだよ。自慢したいわけではないよ。大学名聞かれて言うと突然相手が不機嫌になったりする。だから極力明かさないよ。肩書きで評価されたくないとも思う。…