わだりんぶろぐ2

ポエム集

新型コロナ雑感

1.日常がいとも簡単に失われた。人間が築き上げてきた価値観が一瞬にして崩壊した。哀れだ。

新型コロナウイルスの出現は行き過ぎた金融資本主義社会への警告だ。金が金を産むことの魅力に取り憑かれ、本当の豊かさが失われてしまった。すべてのものが世界中で同質化し、予期せぬリスクに対し脆くなってしまった。

このウイルスは世界を恐怖の渦で巻き込んだ。しかし同時に、新しい時代の在り方を提示した。社会はまさに今変わろうとしている。そのためにもっとエネルギーの蓄積が必要だ。従って、不景気は一時的なもので終わらないだろう。


2.共感力は人間のみに与えられた能力で、強さの秘訣である。しかしとても危険なものでもある。昨日までマスクの効能なんて信じていなかった私のような奴が、マスクを着けた。たったそれだけのことで、未だマスクを着けずに歩いている人が、殺人兵器のように見えてきた。

これは、戦争が肯定されてきた歴史と似ている。戦争というと誰もが反対するだろうが、いざ始まると、知らず知らずのうちに多くの人間が肯定派となった。それほどまでに人間というものは脆く、とりわけ恐怖に対しては無力である。恐怖は多様性を否定してしまう。そのことを知っておく必要がある。


3.このような事態になってもすぐさま生活に不安を感じないのは、私が会社員でサラリーがベーシックインカムになっているからである。一方で、必死でこの危機を生き抜いている方々がいて頭が下がる思いだ。危機にこそ挑戦が生まれ、それが次の時代の原動力となる。しかしながら、従来通りの解の方程式に則って仕事をしてきた我々は突然責務を失い途方に暮れる。取り敢えず暮らせているから良いものの、危機感を感じる頃には次の時代が動き出していて手遅れだ。挑戦する気持ちを忘れたくない。